板東三十三観音 千葉ひとまわり

                                             平成20年5月1日〜2日

 昨年夏に西国三十三観音を満願しました。西国三十三観音・板東三十三観音・秩父三十四観音を
あわせて百観音と言います。四国八十八カ所のお参りも済ませた父が「板東・・・」と言います。
西国も広いけれど板東も広い。神奈川・東京・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬の一都六県にまたがっています。
やっとの思いで西国の参拝を終えた私と妹にとって、父の気持ちは理解できるものの少々負担が・・・(-_-)。

ま、とりあえず行けるところからと、妹が神奈川と東京には連れて行ってくれました。これで10ケ寺クリアです。
しかしその後が・・・。

去年の夏、ちょっと元気のなかった父ですが、その後食欲が戻って行く気満々(^_^)。
パソコンで検索しては「ここからここまでなら一泊二日で行けるなあ」なんて (^^)ゞ。
「そのうちにね」とごまかしておきましたが、いつまでもそんなわけにもいかず、ついに腰を上げました\(^o^)/
 

連休はお寺は忙しくありません。なぜならまわりの農家はお茶で忙しいからです。
子どもたちに運転手を募ったところ、次男が応じてくれました。決行です。ホテルの予約も次男がしてくれました。

去年ロードマップを買いましたが、今回はMap fan webのルート検索で、所要時間のめどを付け、コースを
決めました。千葉市から出発してまた千葉市に戻るコースですが、房総半島の5ケ寺とあと一つ行けそう、
その最後の一つを銚子にしようか、成田にしようか迷った末、成田の龍正院に決めました。


千葉寺→笠森寺→高蔵寺→那古寺→安房白浜ホテル「南海荘」泊→清水寺→龍正院

千葉で息子と落ち合っていざ出発。今回は結局全部息子が運転してくれました。
私の運転では恐くて乗っていられないのでしょう(^_^;)。

千葉寺

 

観音堂↑は昭和20年戦災で焼失後、昭和51年に鉄筋コンクリート造りに建て替えられたそう。
扉の閉まっていたのは残念でしたが、開くのは毎月21日の縁日のみとのことです。

 

ここが納経所、珍しく靴を脱いで上がり、畳の間で御朱印をいただきます。
境内にはボタンがたくさん植えてありました。

 

駐車場からお寺に入っていったので、仁王門は後でくぐることになりました。

  

こちらの仁王様はすごく赤い(^_^)

笠森寺

今回、私が一番楽しみにしていたのがこの笠森寺です。
以前御詠歌大会で「孝子乙女の御和讃」をお唱えしたことがあります。
歌詞は

孝子乙女の御和讃
 
日は暮るる
 雨は降る降る野の道すがら

一 乙女心の一条に
  笠森様へと願をかけ
  みたらし川に身を清め
  七十五段の箱梯子

二 登りて鰐口打ち鳴らし
  水晶の御数珠で揉み拝み
  大慈大悲の御力で
  二親様の難儀をば

救わせ給え観世音
  かかる願いをたのむ笠森

七十五段の箱梯子とはどんなものだろう?と興味津々。

さて・・・
期待を裏切らず、というよりもはるかに超えたお寺でした。
上を見上げて口あんぐり\(^o^)/という感じです。

駐車場から「女人坂」を上っていくと「三本杉」「芭蕉の句碑」などがあり、
二天門をくぐると見えた、見えた、思わず「何これ?」よくもまぁ造ったものです。

 

 

この角度ではよくわかりませんが、大きな岩の上にお堂が建っています。
下を見るとこんな感じです。(上右の写真)

 

四方懸崖造りというのだそうです。上右は、白い葉の木があったので、珍しいと思い
撮りました。

  これがその箱梯子です。

本堂で御詠歌をお唱えし、お参りしましたが、床板のすき間から下が見えるので
高所恐怖症の私には何とも落ち着かないお参りでした。

風神と雷神です。
   

高蔵寺

 

 

高蔵寺というだけあって、本堂は高床式。
そろそろ疲れてきたのと、今日は那古寺までいかなくてはならないので
御朱印をいただいて次へ。

那古寺

那古寺に着いたときには、すでに4時半を回っていました。
冬ではないので4時に閉まることはないでしょうが、明日また出直しでは困ります。
駐車場に着くとすぐに、息子に御朱印をいただいてくるよう頼み、私は父と観音堂へ
向かいました。

 

駐車場のすぐ前のこの建物は本堂でしょうか?「納経所」という看板が掛かってはいますが。

  

この仁王像は金箔が貼ってあったそうなので、できたばかりの頃はさぞきらびやかだった
だろうと思います。

  

本堂?観音堂?「円通閣」の扁額は老中松平定信の書だそうです。
扉が半分閉まっているのは、私たちが着いたとき、もう閉めかけていたのを
お参りが済むまで待っていてくださったのです。
崖にへばりつくようにお堂が建っています。

 

この壁の像がなんともユーモラス、また軒下の木組みも飾り物も色鮮やかです


海が見えます。

三十三番札所、結願寺と言っても、私たちはまだまだ半分もお参りしていないので
満願の感動とはほど遠く、それよりも早くホテルに行かなくちゃ、父が疲れてしまうだろうと
気のせくお参りでした。

父に「まだ大丈夫?」と訊くと、OKの返事なので、ホテルに入る前に、せっかくなので
野島崎灯台に行くことにしました。



房総半島最南端の地だそうです。浜にはいろいろな花が咲いていました。

 

   
 



清水寺

清水寺はあちこちにあって、静岡にも「音羽山清水寺」があります。
京都の清水寺と西国25番札所の御嶽山清水寺、ここの3つをあわせて
「日本三清水」と言うそうです。
昨年5月にやはり子どもたちと西国のお参りをしたとき、2日目は
御嶽山清水寺から始めました。今年も房総の清水寺から始めたので
なんだか昨年を思い出しました。違うのは昨年は雨に降られたのに
今回はどうやら天気は大丈夫そうである点です。
白浜のホテルを出てから鴨川・勝浦を過ぎ、夏の海辺のにぎわいを
想像しながら車を走らせました。

 

上左は仁王門、右は四天門。左の写真で仁王門越しに赤く見えるのが
四天門です。この朱塗りの門は御嶽山清水寺の仁王門と雰囲気が似ています。

 

風神・雷神でしょうか、威厳と言うよりもなんだかくすりと笑いたくなってしまうような姿です。

 

↓仁王像です。金網が邪魔。

 

 

百体観音堂。右側のお堂には赤穂四十七士の彫刻が並んでいます(右写真)。
左側のお堂は閻魔堂。

 
 
 

境内に花壇があって、ランが咲いていました。また崖を覗くと一面にシャガの花、幻想的でした。

  



龍正院

龍正院は成田にあるので、清水寺からはかなり走ります。
あまり遅くなっても困ると思いつつ、車を走らせていると、
上空をひっきりなしに飛行機が通ります。やっぱり成田だ(^_^)。

 

巨大なしめ縄がかかっている仁王門と本堂。
雲行きが怪しくなり、時刻も遅くなったので御朱印をいただいて今回のお参りは無事終了。
これが二日間お世話になったデミオ君

 

強行軍かと心配しましたが、6ケ寺のお参りを済ませることができ、父が喜びました。