遠州七福神めぐり


                                                    平成22年11月28日

今回は遠州七福神めぐりを計画しました。昼食は「農家風健康バイキングどんどこあさば」
帰りに静岡空港見学という欲ばりなプランです。
檀家さんだけでなく、お菓子教室の会員さん、以前御一緒した人たちを誘ったところ
33名という人数になり、急きょバスを大型に変更しました。
添えてある俳句は鈴木とめ子さんの作です。

@永江院(ようこういん 掛川) 布袋尊天

 

  小春日や参道脇の「感謝」の碑  冬萌や石の仏の赤頭巾        



 
 

まだ早朝8時半、空気がひんやりしています。まずは布袋様の前に坐ってお経を唱えました。
今回は観音詣りではないので、「三帰依文」「般若心経」「四句誓願」「普回向」です。
「三帰依文」は秘在寺住職のリードに従って歌いました。

 

 


天井にぶら下がっているあれは何?扇風機??
伺ったら「零戦のプロペラ」とのことでした。もちろん扇風機にはなりません(^_^;)。
山岡鉄舟が永江院に滞在して記念に書いたふすま書を見学して次へ向かいます。

A 極楽寺(森) 寿老尊天

 

あじさい寺として有名。
あじさい時期には見事だと思います。でも混むだろうなあ・・・。
よく手入れをされている様子、というのもうちのあじさいですが、伸びたところをやたらに
切ったら翌年はすっかり花が寂しくなってしまったのです。

 冬鵙や一木彫りの仁王像  

養老年中(717)年に創建された天台宗寺院であり、二俣城主の庇護を受けて栄えたものの
漸次衰退、寛永年間に可睡斉住持により中興開山、曹洞宗となったそうです。
この七福神のお寺は大きな本堂を持つところが多いのですが、ここはこぢんまりとしています。
歴史の古いこと、また二俣城主の帰依をうけたために、「石ずりの戸」、聖徳太子が刻まれたと
伝えられる子育て延命地蔵尊などの宝物があります。またお堂の格天井の絵も古い物ですが
残っていました。  

ご住職が寺の縁起などお話しして下さいましたが、檀家は25軒、他に仕事をもちながら
寺を守っていらっしゃるとのこと。お湯を注ぐと絵が浮き出てくるという湯飲みを紹介なさり
寺の護持のため是非ご協力をとおっしゃると、皆次々に購入。ご住職の熱意が伝わり
私自身も秘在寺をもり立てるようがんばらなくちゃと気持ちを新たにしました。

   冬めくや四〇〇年の絵天井

左は「般若心経」右は「寿」の字が並んだ湯飲みです。

 

熱いお湯を注ぐとこれこの通りに変身。




B法雲寺(磐田)  大黒尊天

ここもあじさい寺として有名だそうですが、その他に梅なども見事だそうです。
新築なったばかりのきれいな本堂でした。

 

   冬芽起つ檀徒寄進の沙羅双樹

お経を唱えてから、ご住職にお話を伺いました。檀家100軒、先代ご住職は90歳まで
住職をなさり、その間現在のご住職は教員をなさりながら寺の護持をなさったそうです。
またもや「私もがんばらなくちゃ」です (^。^)v。
右は菩提樹ですが、秘在寺にも菩提樹があり、冬場の寒さよけのため、鉢植えにしてあります。
(冬は鉢を室内に入れます。でもだんだん大きくなってそろそろ鉢ではかわいそう)
ここでは地植えですから、写真のように枠を作り、冬はアクリル板で囲って保温されるようです。
うちの住職はこれをみて興味津々。

   

ご住職にも入っていただいて写真撮影。
右は「ボケよけ不老楽逝観音」
御法話のあと、薬草茶をいただき、長寿であった先代ご住職夫妻にあやかるように
観音様にお参りしました。

ここで昼食です。「どんどこあさば」で農家風健康バイキングのランチです。

http://www.dondoko.jp/

食べているところの写真はカット(^_^;)

主菜はご飯もパンもいろいろ、副菜もたくさん、そしてデザートもと、本当にすばらしい
品揃えでした。しかも農産物が主のため、ここぞとばかりにおなかいっぱい食べても
もたれません。近かったらしょっちゅう来たいのに・・・。
レストランに併設された売店でしっかり買い物をしてきました。

C松秀寺(袋井)  弁財尊天

  冬うらら眠りごこちの地蔵尊

池には睡蓮が群生しているので、花の時期には見事なことでしょう。



D 福王寺(磐田) 福禄寿尊天

 

  

 

万両園というお庭がみごと、ゆっくり散策しました。

 

  山鳥の影や茶室の白障子

何の木でしょう?小さな実がついていて、われるとザクロのように赤い小さな実がたくさん
見えます。

  銀杏散る大庭園の風の声



 

オキザリス つわぶき

   唱ふごと水音や石蕗の花明かり

E官長寺(御前崎)    恵比寿尊天

  綿虫や落慶記念の高野槙

 

ご住職にお話を伺いました。私たちが三帰依を歌ったので、ご住職も
御詠歌を披露して下さいました。御詠歌の先生だそうです。


F増船寺(御前崎)  毘沙門尊天

元は蔵泉寺と号したが、この地に住まいする漁夫の安全と幸福を願い増船寺と改称したそう。
珍しい寺号はこんな由来があるのですね。

 

 寺宝 円山応挙作の幽霊画 

   冬深む堂に錦の柱巻

  

寺宝など見せていただき、トイレも借りてゆったりとしたひとときを過ごさせていただき
ました。お土産にいただいた名産の芋切り干しは、帰りのバスの中で皆で
いただきましたがおいしかったです。

さてお参りは終わりで、これから空港へ向かいます。

 だんだん暗くなってきました。

沖縄からの便の到着を見て、あとは売店で買い物。
どっさりお土産を持って帰途につきました。

やや曇り空だったものの、まずまずのお参り日和。
皆さんと楽しい一日を過ごすことができました。

七福神とは

恵比寿
古くは「大漁追福」の漁業の神であり時代と共に福の神として「商売繁盛」や「五穀豊穣」をもたらす、商業や農業の神となった。

大黒天
インドのヒンドゥー教のシヴァ神と日本古来の大国主命の習合。大黒柱と現されるように食物・財福を司る神となった。

毘沙門天
元はインドのヒンドゥー教のクベーラ神で、これが仏教の神のヴァイシュラヴァナ(多聞天)になり日本では毘沙門天と呼ばれる。

弁才天 (弁財天)
七福神の中の紅一点で元はインドのヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー神。七福神の一柱としては「弁財天」と表記されることが多い。

福禄寿
道教の宋の道士または、道教の神で南極星の化身の老子である寿老人の別名または同一神とされる

寿老人
道教の神で南極星の化身の老子。

布袋
唐の末期の明州(現在の中国浙江省寧波市)に実在したといわれる仏教の僧。


純粋日本の神さまは恵比寿様だけ、あとはインドや中国の神さまやお坊様なんですね。

帰りのバスの中で住職が「今日は知恵と勇気の神さまたちにお参りしてきました。知恵は知識とは
違います。知識は外部から入ってくるものであり、知恵は自身の中から生じるもので、誰でもが
持っている『生きていく力』です。今日お参りしたことを日々の生活に生かし、知恵と勇気を持って
生きていきましょう」とお話しして解散となりました。