白隠禅師二百五十年遠諱法要団参
                                    平成29年5月10〜11日


  ※参拝のページには「遠忌」の字を使ってありますが、正式にはこちらの字です。
   あちらのページで使った書体では「遠諱」の「諱」が表示されず、「・」になってしまいますので。

駿河の生んだ名僧、白隠禅師が亡くなったのは1768年、今年は249年後となり、正当な遠諱年と
なります。何度か法要も行われるようですが、最大規模のものが、私たちが参加した11日の法要でした。

静岡東教区第一部からはバス2台、80名が参加、二部〜五部まであわせて、500人近くが
妙心寺に参集、「白隠禅師二百五十年遠諱慶讃法要」に参加しました。白隠禅師の出身地である
静岡東教区花園会員がこの盛大な法要に参加できたわけです。振り返ってみればなんと
貴重な体験ができたのだろうと思います。

静岡駅出発→黄檗山萬福寺(昼食)→奈良国立博物館→百足屋本店(夕食)→ホテル
ホテル→妙心寺(遠諱法要)→京都駅→静岡


萬福寺

  

総門

  

和尚様の説明のあと、本堂である大雄宝殿(だいおうほうでん)へ。

  

ご本尊は釈迦牟尼仏、両脇侍は迦葉尊者と阿難尊者
同じ禅宗とは言え、中の様子も私たちの寺とは少し違います。
鳴らしものでもドラがあったり・・・

  

両単に十八羅漢像が安置されています。


  

開版(かいぱん)。斎堂前にある魚板で、木魚の原型となっている。
時を報ずるものとして今も使われています。
大きいです、近くで見るとこの迫力!!

  

昼食は普茶料理です。小さい瓢箪の漬け物が珍しかったです。

  


奈良国立博物館

国立博物館は東大寺のすぐそば、修学旅行シーズンとあって、東大寺は人の海でした。
鹿の糞もにおってました(^_^;)。

  


私は国立博物館しか行かなかったのですが、大急ぎで東大寺を拝観した人も
いました。
今回の旅行の目的は東大寺ではなく、奈良国立博物館の特別展「快慶 日本人を魅了した仏のかたち」
の見学でした。

  

静岡県関係では、清水鉄舟寺の仏像が飾られていました。
時間いっぱいゆっくり仏像を見て、快慶についてのアニメも見てきました。



夕食は百足屋本店で「おばんざい懐石」でした。

ホテルはベッセルホテルカンパーナ京都五条、新しいホテルで、エレベーターに乗るのにも
大浴場へ入るのにもカードキーが必要・・・なので、年配の人たちはちょっと戸惑いもありました。

妙心寺

今回の遠諱は歴史的なできごとなのだそうです。白隠禅師の遠諱法要が、未だかつて本山で
ある妙心寺で行なわれたことがなかったからなのです。
白隠禅師は臨済宗中興の祖と言われますが、公案を体系化するなど、現在の臨済禅は白隠禅師に
よって確立されたと言えます。しかし妙心寺の住職になられたことはありませんでした。。
白隠禅師の示寂250年を記念した慶讃法要が、はじめて妙心寺にて厳修されたことは、異例なことなのです。

  

妙心寺到着、東教区の他の部のバスも来ています。
まずは法堂にて和尚様の説明。

  

法堂の上段に白隠禅師の木像(三島・龍澤寺蔵)が安置されていました。

法堂の鏡天井には狩野探幽が55歳のときに8年がかりで作りあげた「雲龍図」があり圧巻
です。重要文化財にも指定されています。龍の目は円相の中心にありますが、八方睨
みの龍といわれ、見る位置や角度によって龍の動きや表情が変化するように見えます。


  

説明を聞いた後は、一旦外へ出て写真撮影をしました。

  

10時から加行(けぎょう)開始。
いただいた経本を開いてお経を読み、区切の所で拝をします。

  

居並ぶ和尚さまたちも拝をなさってます。加行が終わり、管長猊下はいったん退堂なさいました。

  

11時から法要開始。妙心寺派現管長である江松軒嶺興嶽老師により、
十八拝式という最も丁寧な仏事が執り行なわれました。

白隠禅師が駿河国原のご出身のため
今日の法要は特別なものでした。遠諱年なので法要は何度も行われていますが
今回は全国の僧堂の老師様、臨済宗各派の管長猊下、議員などの役員さまたち
総勢200人くらいの和尚さまが勢揃い、こんな法要は二度と体験できないでしょう。
ただ、私たちの坐った位置が隅の方で、前にはカメラマン、そんなわけで全体の様子を
見ることができなかったのです。この写真は大倉さんがあちこち動き回って撮影して
くれました。あとからこの法要の豪華さを知って、本当に残念に思いました。
案内の方の言われるままに席に着きましたが、もっと良い席に座りたかったです。

  

楞厳咒(りょうごんしゅう)の読経で、居並ぶの老師様方がともに行道されました。
その間、香炉が回され私たちは焼香しました。

  

外国人の姿も見え、世界に広がる「禅」を実感しました。
管長猊下のご挨拶。

  

大方丈(おおほうじょう)にて、阿じろの精進料理をいただきました。
食事の前に花園会本部長、地持院鮎川博道師の挨拶がありました。
地持院さんは由比にあり、庭園の美しいお寺です。由比方面にいら
した際は拝観なさるといいですよ。

妙心寺を後にして、京都駅に向かいお土産を買って帰路につきました。
秘在寺から参加の皆さん、良い旅行だったと言って下さりホッとしました。