邦友会の思い出

過去の栄光にとらわれるわけではないけれど、私の遅めの青春を賭けた邦友会の思い出です。

成り立ち

 私は大学で箏曲部に入っていましたが、その当時70年安保で、騒然とした時代でした。
邦楽の世界でも学生邦楽が燃えさかった時期でした。小学生の時、尺八を吹く父が私に箏を習わせたのですが、度重なる転勤のため、結局正味3年間くらい習ったままで、私は箏の稽古を中断しました。大学にはいったら箏を再開しようと思っていたところへこの時代です。活発に活動しているよそのクラブが羨ましくてなりませんでした。
 卒業後も箏はずっと続けていましたが、いつか邦楽アンサンブルをとずっと願っていました。願いが届いたのか、一人二人と出会った人たちと、月一回私の寺で合奏練習をするようになり、和尚の案で静岡邦友会と名付けました。最初は尺八の人の方が多かったですね。和尚が尺八を吹くので、その関係で知り合った人が多かったようです。
 そしてとにかく演奏会をと、大合奏を1曲入れたコンサートを始めました。
 ちなみに邦楽アンサンブルの大合奏曲というと、尺八・笛・箏・十七絃・三味線・琵琶・打楽器などで構成されます。最初は楽器も揃わず、琵琶パートを三味線でやったり、胡弓をバイオリンで弾いて貰ったこともあります。だんだん楽器も揃いましたが、メンバーが増えて余裕ができてからは、賛助を頼んだりしました。

歴史
第1回 大合奏無し ゲスト
  2 人形風土記 長沢勝俊作曲
  3 子どものための組曲 長沢勝俊
  4 北の詩 三木 稔
  5 大津絵幻想 長沢勝俊
  6 二つの舞曲 長沢勝俊
  7 子どものための組曲 長沢勝俊
  8 ダンスコンセルタントT「四季」 三木 稔
  9 人形風土記 長沢勝俊
 10 ディベルティメント 佐藤敏直 ジョン・海山・ネプチューン
 11 民謡集 長沢・秋岸・福島
 12 複協奏曲 舩川利夫 三橋貴風・外山香
 13 北の詩 三木 稔
 14 巨火(ほて) 三木 稔 高橋明邦 他
 15 秋のコンチェルト 中村八大
 16 ディベルティメント 佐藤敏直

第16回が2002年7月7日でした。ほぼ毎年コンサートを開いていたので、1986年がスタートになるでしょうか。記録もとってはありますが、今更調べるのも面倒なので・・・。10回記念にはネプチューン氏をお招きし、夏の合宿練習にも来ていただいて、楽しいひとときを過ごしました。「巨火」では箏メンバーが二十絃に挑戦し、賛助を4人もお願いした大がかりなコンサートになりました。

思い出

 自然発生的にメンバーが集まった邦友会ですが、最初の頃は特に同世代の人が多く子どもも小さかったので、コンサートの時には学生に子守を頼み、打ち上げも子どもたちだけで1テーブル用意しました。
 邦友会が私の心の張りで、いつも「次のコンサートでは何の曲をやろうか」などと考えていました。
 16回目を終えた時、私は邦友会をやめたいと申し出ましたが、常に私の頭の中のかなりの部分を占めていた邦友会をやめたのは、それなりに考えた末のことでした。
 一時は30名近くが在籍した邦友会ですが、グループ邦友として活動を続けているのは数名だけです。つくづくと時間の流れは止められないと感じています。
 一人では演奏会をできるはずもなく、邦友会に参加して下さった皆さんのおかげでこの20年近く本当に楽しい日々を過ごすことができました。合奏の楽しみを充分味わうことができたし、また邦友会でのアンサンブルの練習と、師匠のもとでの個人レッスンは車の両輪のようなものでしたから、得た物ははかり知れません。私一人が邦友会を背負っていたわけではなく、和尚と会員の皆さんのおかげでアンサンブル活動を長きにわたって続けてこられました。私の夢の実現を支えて下さった皆さんに改めて感謝致します。

最後のコンサートのリハーサル風景です。ディベルティメントの写真があると良いのですが、撮影した夫がディベルティメントに出演したので、残念ながらありません。