奈良柳生

                                         平成19年1月28日〜29日

 前回奈良に行ったとき、父は柳生にも行きたいと言っていたのですが、なにぶんにも「てくてくの旅」
バスの便の悪い柳生には時間的にも余裕が無く、また3日目は雨に降られたので、次回廻しとしました。

また、父が西国33観音巡拝をしたいと言いだしたのですが、ツァーでは3泊4日を3回くらい、高齢の
父を単独で参加させるのは心配だし、さりとて私も妹も4日留守を空けるのは難しいです。
ならばとにかく行けるところだけ行こうと相談し、まずは12月に妹が同行して一番行きやすい京都に2回行き
8つのお寺の御朱印をいただいてきました。

次は私の番で、1泊2日で奈良の旅を計画しました。柳生のバスの時間優先のスケジュールです。

静岡→京都→奈良→興福寺南円堂→柳生→奈良駅

興福寺南円堂

柳生へのバスは昼頃までないので、先に駅から歩いて行ける興福寺へ行きました。

 
京都から近鉄特急で奈良へ 鹿ちゃんがお出迎え
南円堂でお経をあげ、御朱印をいただきま
した。
北円堂もありますが、こちらは鎌倉時代の建築で
南円堂より地味な感じ。南円堂は平成8年解体
修理だそうなのできれいなのも道理。

また歩いて駅付近まで戻って昼食を食べ、バス停に向かいました。乗り遅れては大変。
最初に奈良駅に着いたとき、バスの営業所に行って柳生に行きたいのだがどこで降りるのか、
訊きました。もちろんガイドブックは持っていったし、事前にそれなりに調べもしました。
だけど「地図の読めない女」ですぐ道に迷う私、ここでのアドバイスのお陰であとで途方に暮れる
羽目になりました。

私の問いに、地図を渡して説明してくれたのですが「大柳生」で降りればよいとのこと。
ガイドブックの柳生付近の地図には「大柳生」のバス停は載っていません。確認すれば良かったので
すが、まさか・・・。私はガイドブックの地図のちょっとはみ出た部分くらいに「大柳生」があると
思いこんだのです。

降りる直前に運転手さんに「柳生に行きたいのだけどここで降りていいですか?」と念のために
訊いたのですが、何だかあやふやな返事。地元の人でなく観光客であることはわかりそうなものなの
だけど、テレビ番組の舞台になってもてはやされた時期が過ぎると、観光地はこんな感じになるの
かもしれません。

とにかく降りてみたものの、案内板一つ無く、1.2軒のお宅に声をかけてみても、鍵がかかっていて
誰も出てきてくれません。車はびゅんびゅん走っているものの、どこにどう向かって歩いたらよいのか
見当もつきません。消防署があったので、訊いてみたら、気の毒そうな顔をして、なんと目指すところは
ここから4kmほども先だそうです。

父は「歩くか?」といいましたけど・・・こういう時父は決して「ああすれば良かったのに」などと愚痴っぽい
ことは言いません。これはありがたいです・・・この寒い風の吹く中、84歳の父とでは1時間ではつかない
でしょう。しかも上り坂です。本当に途方に暮れました。
見かねた人が、車で芳徳禅寺まで送ってくれることになりました。地獄で仏、感謝の言葉もありません。
しかしあのバス営業所のアドバイスは・・・(`=´)

芳徳禅寺の門前まで送っていただきました。
バス停から上り坂だったので、ここまで乗せて
いただいて本当に助かりました。

 ↓墓所です。一族の中には案外短命の人も
 いました。

芳徳禅寺から歩いて15分ほどのところに、一刀石があります。迷ったのですが、行ってみることにしました。
父の脚力を考えると決断が難しいです(^_^;)。途中で引き返すのは癪だし、かといって上りがきつかったら
どうしよう?

杉林の中の暗い道や、茶畑の間を歩いていくと、鳥居があってまもなく「天之石立(あまのいわだて)
神社につきました。神社といってもご神体は巨岩でしめ縄が張ってあり、簡単な休憩所みたいな
建物があるだけです。しかしどうしてこんな大きな岩がここにあるの?しかもまるで刃物で切ったような
形をしています。

神社からさらに歩いてやっと一刀石に着きました。
柳生新陰流の創始者、柳生一刀斎が修行中
天狗との試合で岩を一刀両断したという伝説が
あるそうです。

足元は水の湧いているところもあって湿っているし、ちょっと大変でしたが、思いきって行って
良かったです。

他に見るべき所と言えば旧柳生藩家老屋敷などがありますが、バスに乗り遅れては大変だし
だいぶ歩いたので、バス停に向かいました。
近鉄奈良駅に戻り、去年の5月に奈良に来たときに泊まったビジネスホテルにまたお世話になりました。

さて二日目は壺阪寺→岡寺→長谷寺の順に回ることにしました。どこもそれほどバスが多くないので、
てくてくの旅は大変です。

南法華寺(壺阪寺)

 お里沢市の壺阪霊験記で有名なお寺です。壷阪山駅で電車を降り、バス時刻表を見ましたが
とても待ちきれる時間ではないので、タクシーに乗り、帰りをバスにすることにしました。

さて着いたのですが、こんな時期だし朝早いせいかほとんど人がいません。縁日にはずいぶんにぎわう
そうですが・・。

新しい建物ばかりで、なんだかちょっと
雰囲気が期待はずれ。
唯一、古い物が右上の塔です。

父は緑内障、私はこの通り強い近眼と乱視
なので、眼病封じ祈願をしてもらうことに
しました。納め札を本尊様の前に納めて
きました。

バスの時間を気にしつつ、境内を歩いてみました。大きな大きなお釈迦様の涅槃像と観音像があります。



高いところにあるので、町並みが一望
できます。

バスに乗ったのは私たち二人だけでした(^_^;)。

壷阪山駅に戻って考えました。私は電車で飛鳥に戻って、バスに乗ろうかと思っていました。できれば
石舞台なども見たかったのです。でも父と一緒では無理、飛鳥散策はいずれ一人でとあきらめて
壷阪山駅から岡寺までタクシーに乗りました。
岡寺にバスで行ったとしても、バス停から上り坂だったので、これは良い選択でした。

岡寺(龍蓋寺)

小さい子どもさんを連れたお母さんを何組も見かけました。安産祈願のお礼参りでしょうか?
縁日でもない平日なので、印象に残りました。

三重の塔の所からはこんな眺めです。つまりそれだけ上ると言うこと。壺阪寺もここも上り下りが多いので
父の足がちょっと心配でした。                                      

帰りに、受付のおじさんにバス停を確認したら
シャッター押してあげようかと言われました。
ありがとう。


バス停までは帰りは下り坂です。バス停で待ってた人が「春には修学旅行生が自転車で走り回りますよ」
とおっしゃいました。なんせこの一番時季はずれの時、すいているからいいけれど、花が何もなくて
淋しいです。花の見どころの多いお寺もあるのに。

途中「飛鳥寺」「甘樫丘」などの停留所を通る度に、首を伸ばしてはみたものの、飛鳥巡りは将来の
お楽しみ(^_^)/~~。

さてバスは橿原神宮前駅に到着。電車の時間を確認してから駅前で昼食をとり、乗車。
大和八木で乗り換えて長谷寺駅へ向かいました。

長谷寺

駅からバスの便はないそうなのでまたもやタクシー。でも距離の割りに安かったような気がします。
壺阪寺も岡寺も大きなお寺でしたが、ここは何もかも大きい。本尊様にも圧倒されました。

 

長い長い階段を上ります。でも屋根はあるし、階段も浅いので楽です。ここまで石を運び上げたその
労苦には頭が下がります。

長谷寺は花で有名だそうですが、今は寒牡丹のみ。あとはロウバイが良い香りを漂わせていました。
花の時期に来てみたいです。門前の土産物屋さんが「ボタンが有名だけど私はさくらが一番きれいだと
思う」と言っておられました。奈良漬けを買いました。ウリと生姜です。生姜の奈良漬けは珍しいので。

 

さて予定通り4つのお寺を回ることができました。
だんだん、行きにくいお寺が残っていきます。
次はお花見ツァーで、岐阜の谷汲山華厳寺があったので、これを申し込みました。
西国33観音のうち岐阜にはたった1ケ寺だけなのでちょうど良かったです。