西国三十三観音 最後の旅       平成19年8月20〜21日

 さて、いよいよ残りは4ケ寺となりました。父の体力を考えると、少しでも早い方がよいだろうと、
お盆も過ぎて一段落するこの時期に妹とともに3人で出かけました。
「こんな暑いときに出かけなくても・・・」と言われましたが、なんとしても父の希望をかなえさせたかったのです。

最初は公共交通機関利用で計画を立てましたが、乗り替えが多くてこれでは父には無理と判断、
レンタカー利用で組み直しました。5月の連休には子どもたちに運転して貰いましたが、この時期では誰も
休みが取れないので、しょうがない(-_-)、私が運転するっきゃないと覚悟を決めました。
運転歴は30年と長いけど、運転は下手だし嫌いです。妹はペーパードライバー、結婚前に免許を取ったもの
のたぶん一度もハンドルを握ったことはないでしょう(^_^)。まぁ、それでも隣に坐ってくれれば私は助かるし、
レンタカーにはナビがついている上に、道もそうそうわかりにくくはないようです。

車を借りるのは最短時間にしようと、和歌山で借り、最後に参拝予定の葛井寺のある、藤井寺で乗り捨て
ようと考えました。ところが藤井寺で乗り捨てできるレンタカーがなく、あちらこちら問い合わせの末、
トヨタレンタカーなら羽曳野に営業所があり、ここは藤井寺から近いとのことでこれで決めました。

いざ、出発。

静岡→新大阪→大阪→天王寺→和歌山

和歌山に着きました。駅地下の食堂街で昼食を取り、外へ出ました。
12時頃なので暑いです 
和歌山へまた来ることがあるのだろうか?と思って、駅前で写真を一枚。

トヨタレンタカー和歌山営業所に着き、手続きをしました。
ホテルの場所を訊いたら、地図をプリントアウトしてくださったりと、親切な応対には感謝です。
車はパッソ、施福寺周辺は細い道だろうと思い、小さい車をお願いしておきました。
私のワゴンRと似た感じなのでちょっと安心。
「ナビの使い方を教えて下さい」とお願いすると、では今日の行程の紀三井寺・粉河寺・ホテルアバローム
紀ノ川まで入れておきましょうと入力しながら操作を教えて下さいました。

さてまずは紀三井寺を目指します。
距離的には大したことがないのですが、交通量が多く思ったより時間がかかりました。

紀三井寺 

紀三井寺門前に着いた時の第一印象は、「ごちゃごちゃしてる(^_^;)」。
西国のお寺は山奥に多いので、その印象が強く、なんかピンと来ません。
それよりもくらくらしそうな暑さに頭の中もぼうっとしているようです。
ともあれ車を降りて山門に向かいました。
見上げると急な階段、231段あり、「結縁坂」と言うそうです。しばらく上ると女厄三十三段と
書いてあり、上り切ると今度は男厄四十二段、そして還暦六十段と書いてありました。
33+42+60=135ですから、その前に96段あったわけです。

 

本堂にお参りし、お経と御詠歌をあげて一休み。

 

汗だくだくだったので、境内の茶店でかき氷を食べました。最近ではかき氷を食べることもないので
久しぶり、おいしかったです。眺めはこのとおり、和歌の浦が一望できます。
暑かったけれど、晴天には感謝。花山院菩提寺では雨でせっかくの眺めが楽しめなかったので。

 

父は足腰は丈夫なので、ゆっくり進みさえすれば大丈夫。
この急な階段、膝の悪い人にはつらいでしょう。

粉河寺

和歌山の町を抜け、国道24号線を進みます。
左折して線路を渡ると道が細くなりましたが、門前の通りは広くて店もたくさん並んでおり
なんだかびっくりしてしまいました。
もう4時頃だというのにまだまだ暑く、日差しもきつかったです。

 

中門の大きさには圧倒されました。庭園も見事です。
でも庭園を楽しむのには、さすがに時期が悪かったですね。緑の美しい時期、
サツキの咲く時期に来たいです。



われ鐘なので静かについて下さいとのこと。

体力と時間に余裕があれば根来寺にも寄りたいと思いましたが、とてもとても(-_-)。
参拝後はホテルに直行です。和歌山市内に戻りました。

ホテルの部屋は9階。海の見える眺めのよい部屋です。
とにかく汗を流したくて父に部屋の風呂に入って貰った後
大浴場にいこうと思っていたら、無い(-_-)。
結婚式場もあるホテルでしたが、ビジネスホテルの系統かな。
駐車場がわかりやすいなどの理由で選んだのですが
お風呂だけは残念でした。

朝食は和食・粥・洋食の3種から選べるので3人別々の物を頼みました。
今日はとにかく施福寺が難関なので早く出発するつもりが、ついつい豪華な(笑)朝食を楽しんでしまいました。
昨夜、チェックイン前に翌日のナビの設定をしておいたのですが、ルート設定がうまくいかないのでやりなおし。
つくづく頭が固いなと思ったのですが、当初は粉河寺から施福寺方面へ進み、その近辺で泊まる予定でいました。
ところがホテルが見つからなかったので(父にはベッドが必要)、結局和歌山に戻ることにしたのです。

だから和歌山から施福寺へのルートは、粉河寺経由を無視すればいいのに、当初の国道24号線
→高野街道にこだわってナビをいじくり回しました。何度も設定し直した末、ふと「推奨ルートを
使えばいいのだ」と思い至り阪和自動車道経由で施福寺へ向かうことにしました。
全く、我ながら「馬鹿みたい」(笑)。

阪和自動車道を岸和田和泉ICでおり、ナビに従って施福寺へ向かいました。道は細かったけど、車は小さいし
自宅近辺を走っているのと同じような感じでした(^_^;)。

施福寺

  

駐車場から仁王門までは舗装されていて、比較的楽でした。
ただ、楽とは言ってもここまで歩いた感じでは父には無理ではないかと思い、妹に父を託して
私が先に上ることにしました。携帯は圏外で通じないので、上れるところまで上ったら車に戻って
休んでいればいいと言い残して、上へ上へ。
階段もあり、それもかなり急勾配、汗だくになって本堂へ着いたのですが、これでは父にはとても
無理とお参りを済ませ、居合わせた人に写真を撮って貰い、下ることにしました。
この「居合わせた人」は、前日も紀三井寺と粉河寺で出会った男性です。
昨夜は天王寺へ戻って泊まったそうで、今日もオレンジバスでなく、槇尾山口から歩いたそうなので
私たちよりも4km近く余分に歩いたことになります。

下り始めるとすぐになんと妹と父に出くわしました。本当にびっくりしました。
「来たよ!!、バック、バック」の妹の声、根気強く休憩を取って父をここまで連れてきたのです。
妹には心から感謝。通常30分の道のりを1時間かけて上ってきたそうです。
あとで父に訊いたら「上りたかったから」と言ってました。

  

ともあれ、一休みして再度お参りし、休憩。

  

途中は木陰だったし、午前中だったので暑いとは言っても日なたのようなことはありません。
でもこの青空!!日陰はともかく、本堂の前はかんかん照り。

高いので眺めはよいのですが、山ばかり。

普段の1/3くらいですよとのことでしたが、
参拝する人がけっこういました。
ほとんどの人が、登山靴に杖。
やっぱりその覚悟で上るお寺なのですね。


下りもゆっくりペースで40分かかりました。とにかく父が汗だくだったので、槙尾山観光センター
(と言っても普通の土産物店の規模)で休憩。父に着替えさせ、かき氷を食べて生き返った心地\(^o^)/。

ここで槙尾山杖羊羹や柿の葉寿司、漬け物などたくさん買い込んでしまい、車を降りてから
重かったです(-_-)。

さて、いよいよ最後の目的地、藤井寺に向かいます。
山間地から市街地に入るので運転はちょっと緊張。父は疲れたと見えて、後部座席に横になって寝て
しまいました。
ナビのお陰で迷いもせずに駐車場へ到着。昼を過ぎていましたが、あまりおなかもすいていないので、
駐車場から歩いて寺に向かいました。暑かったのでちょっと大変。

葛井寺

住宅地の中に大きなお寺がどーんとあります。周りのせせこましさに比べて境内の広いこと!!

  

お参りをし、御朱印をいただきましたが、満願だと言うと、それでは満願の印を押しましょうと
のこと、無事満願できて本当に嬉しく思いました。
父が発願してから、妹と交替でお参りに連れて行きましたが、だんだん交通の便の悪いところが
残ってしまい、父の体力も落ちてきたので果たして満願できるのだろうかと心配しました。
肩の荷が降りました。
5月の連休に子どもたちがつきあってくれたので、レンタカーを借りることを覚え、それが
今回役立ちました。

私自身のお参りしていない札所は、いずれ一人で機会を捉えて少しずつお参りしたいと思っています。
西国三十三観音の残り、板東三十三観音、四国八十八カ所、それ以外にもお参りしてみたいお寺が
たくさんあります。楽しみです。この先、一人で旅をしてもきっと父との旅を思い出しながら歩くことになるでしょう。

葛井寺を出てから遅い昼食をとり、トヨタレンタカー羽曳野営業所に行って車を返しました。
昼食はのら屋といううどん屋で、冷たいうどんと赤米入りおにぎりのあんかけセットを食べました。
値段の割りにボリウムがあったし、おにぎりのあんかけは初めて。機会があればまた食べてみたい
メニューでした。
ここからは古市という駅から阿部野橋まで電車に乗り、さらに天王寺から新大阪に出て、静岡へは
予定通り6時頃着きました。
お疲れさん(^_^)。